クレアチニン(Cr.)1.6ぐらいまで。高いと異常。
クレアチニン・クリアランス(C.C.R) 正常値は100ぐらい。高い方が良い。高齢で低下する。
完全排尿後に500m/程飲水した後,尿および血液を採取する。血尿でもOK。
糸球体濾過値,すなわち1分間に糸球体で濾過された水分量(GFR)を表す。
尿濃縮力の検査は,フィッシュバーグ濃縮試験です。
<<透析開始基準としてクレアチニン8以上。C.C.R.10以下。>>
血清尿素窒素(BUN) 20ぐらいまで。高いと異常.
B.電解質
カリウム(K)
5以下が正常。極端に高いとECG異常、心停止まで起きる。
<<ジキタリスを使用中は高Kに注意>>
<<ラシックス(フロセマイド)を使用するとKは低下する。>>
C.ネフローゼ症候群の診断基準
1)蛋白尿 : 3.5g/Day
2)低蛋白血症 : TP6.0g/dl以下
3)低アルブミン血症 : 血清アルブミン3.0g/dl以下
4)高脂質血症 : 血清総コレステロール250mg/dl以上
D.無尿と尿閉の違い
無尿は腎臓が尿を作らない。尿閉は下部通過障害
無尿とは尿量が100ml/日以下のとき、乏尿とは300〜500ml/日以下に減少した場合。
(尿閉の原因:前立腺肥大症、薬物<抗コリン剤、風薬など>)
E.頻尿と多尿の違い
頻尿は1回量が少ない。が1日尿量は正常。
多尿は1回量は正常だが1日は量が多い。DM,腎不全利尿期など。
3,000ml/日以上を多尿(成人の1日尿量は1,000〜1,500ml)。7〜8回/日以上が頻尿。
摂取水分量の40〜60%は尿として排泄される。
F.尿比重。
健康人は約1.020。腎機能障害があるとき濃縮力低下に伴い変動幅が狭くなる。
さらに悪化すると等張尿。慢性腎炎のとき(老人も)は多尿、低比重。
多量の蛋白尿、尿糖、造影剤で高くなる。
50-70歳の男性に多い成人の腎腫瘍。
血尿、疼痛、腫瘤蝕知が3徴。
放射線療法、化学療法はウイルムス腫瘍と違い効果なし。
B.腎茅細胞腫(ウイルムス腫瘍)
75%が5歳以下。
増大速度の早い腹部腫瘤が最も普通の症状であり,血尿,疼痛はほとんどない。
発育が早く,肺,肝,脳などへの転移も早い。
他の先天異常との合併が多い。(無紅彩症はウィルムス腫瘍が発生する危険率33%)
C.膀胱腫瘍
移行上皮癌。
症状は肉眼的血尿、頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状。
内視鏡的膀胱腫瘍切除術(TUR-P)が多いが半数以上再発する。
抗癌剤の膀胱注入療法。切除不可能な場合膀胱全摘尿路変更。回腸導管
(回腸を15cmほど切断し<イレウスに注意>それを導管とする。腎盂炎や腹壁による狭窄が少ない。)
や尿管皮膚痩。ストマが必要。
同じ手術を受けている人(オストメイト)に会わせて話をさせたり、家庭にも協力を依頼する。
マーキングは剃毛と入浴がすみ,皮膚がきれいになった後で行い,マジックで印をつけ、
さまざまな体位をとってもよく見え,ベルトや帯のじゃまにならない位置を選ぶ。
術後は感染,結石を予防するために水分を多くとる。パウチのまま入浴可。毎日張り替える必要はない。
適度なスポーツは可能。性機能は喪失。身体障害者手帳4級が交付される。(場合によって3級。)
*膀胱鏡検査 : 砕石位をとり、尿道口を消毒後,男子は尿道麻酔を行う。
器械挿入時は口呼吸をさせ,腹部の力を抜く。検査後,排尿時痛,出血の有無に注意し、
感染予防のため,十分に水分摂取させ排尿を促す。(禁食の必要無い。)
D.前立腺肥大症
50歳以上の男性。
症状は排尿障害、頻尿(特に夜間頻尿)、尿勢の低下。
進行すると残尿、尿閉(奇異性尿失禁、溢流性尿失禁)、尿路感染。
治療は投薬(α−Blocker:起立性低血圧に注意。抗アンドロゲン剤:性機能の低下)、
経尿道的前立腺切除術(TUR-P)。
前立腺は血流が多いので、術後出血、尿量の確認。カテーテルの違和感・力みに鎮痛剤の投与。
カテーテルは術後5-7日で抜去。水分の摂取を促す。
*TUR症候群 : 灌流液が体内に入り、低ナトリウム血症、血圧の低下を来たす。
E.前立腺癌
50歳以上の男性。
前立腺肥大を放置すると前立腺癌になるわけではない。
早期は無症状のため発見されにくく、骨に転移し易い。
治療は早期で高齢でない場合は前立腺全摘術。
その他、ホルモン療法(抗男性ホルモンや女性ホルモン)、放射線療法
F.精巣腫瘍
青年に発生。セミノーマと非セミノーマ。
後腹膜リンパ節、肺などに転移。抗癌剤(シスプラチン)が有効。
停留精巣の場合、正常時より数十倍発生頻度が高い。
先天的に腎盂の出口が細い。腎機能低下、尿路感染を繰り返す場合、手術。
B.膀胱尿管逆流症
いったん膀胱にたまった尿が,腹圧,排尿などの膀胱内圧上昇に伴って尿管・腎盂に逆流する現象。
原因は先天性・後天性(排尿障害)の逆流防止機構の破壊による。
腎盂炎を起こしやすくなる。高度な場合水腎をきたし腎機能の低下。
C.尿失禁
腹圧性尿失禁:くしゃみや急に立ち上がったときにもれる。骨盤下筋群の筋力低下。
切迫性尿失禁:尿意が生じると我慢できづに漏れる。膀胱の無抑制収縮による。
溢流(いつりゅう)性尿失禁・奇異性尿失禁:尿が出ずらいくせに漏れる。ちょろちょろ漏れる。
前立腺肥大症、神経因性膀胱で見られる。
完全尿失禁:常に漏れる。前立腺肥大症の手術時、括約筋を切っちゃた時など。
乏尿期→利尿期(腎機能回復期)と変化する。
乏床期には血球や尿細管上皮の破壊産物が混じるので尿は暗褐色で汚い,また尿量も著しく少ないが,比重は低い
治療
安静(腎への血流が増加し,糸球体濾過量も増加する。)
食事管理:1800kcal、蛋白質の制限5g以下、
(腎臓から蛋白質の分解物が排泄されるため,腎臓の負担を軽くする目的)、食塩3g以下、
水分:1日の尿量+500(利尿効果の確認のため飲水+補液量と尿量測定)血圧の変化に注意。
利尿期には十分な補液と電解質管理。
第T期…腎予備力減少期 ネフロンの50%近くが破壊。代償機能は十分にあり。
とくに運動制限の必要はない。
第U期…代償性腎不全期 軽度の高窒素血症、尿濃縮力低下による夜間多尿、軽度の貧血。
腎機能はGFRで50-30%程度
第V期…非代償性腎不全期 高度の高窒素血症、貧血と電解質異常、アシドーシスがみられGFRも30%以下に低下
第W期…尿毒症期 消化器症状、神経・筋症状、心血管異常、出血傾向、皮膚症状
治療
食事管理 : 2000kcal、蛋白20-30g、食塩3-6g、カリウムの制限が必要なこともある。
水分…尿量が十分にある時は制限しない。
透析になれば管理は多少緩和:2200kcal、蛋白60g、食塩6g、カリウムの制限
貧血:腎からのエリスロポエチン分泌が低下、赤血球寿命の短縮、出血性素因。
(消化管や皮膚,粘膜に出血傾向が現れ,吐血,下血,鼻出血などがみられるようになる。
血小板の機能や,とくに血小板凝集能やV因子活性の障害によるもので,
体内に蓄積した窒素代謝産物に関係がある。透析によって出血傾向は改善される。)
高血圧:体液量の増加。細胞外液量が増加し,浮腫,高血圧症が出現する。
急性肺うっ血、末梢循環障害、易感染性有り。
治療
食事管理 高蛋白(70-100g)、高カロリー(1800-2200kcal)、低ナトリウム食(食塩0-6g)
安静、末梢の保温、感染の注意、副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制薬(6−MP)、利尿薬(フロセミド)など。
*ステロイドの副作用
満月様顔貌、肥満、多毛、電解質異常、胃潰瘍、易感染性、高血圧、糖尿、
副腎不全、骨粗鬆症、無菌性骨頭壊死、精神障害
機能性蛋白尿
発熱や激しい運動後、多量の肉食後にみられる。ネフローゼ症候群を呈すことはない。
起立性蛋白尿もその一つ。(血尿の合併は腎実質の異常がある場合。)
蛋白尿
ネフローゼ症候群の尿蛋白は血漿由来のアルブミンで、糸球体からのもれ。
(尿細管の再吸収障害ではない。)多発性骨髄腫の蛋白尿はグロブリン。
シャント:利き腕の反対側。採血の禁止。重い荷物を持ったり,腕時計をしない、などの
保護・閉塞予防や異常の発見,出血の際の処置方法日常管理を指導。
運動:激しい運動・労働の制限。適度の運動や旅行は可能。
カリウムの制限:カリウムを多く含んでいる豆顆,果物,野菜などの摂取量を制限。
不均衡症候群:頭痛、嘔吐、痙攣→血液と中枢の濃度差で起こる。(急激な体外への血液流出ではない。)
透析液:透析液の濃度は正常人の血清と比べ、カリウムは低濃度、重炭酸は高濃度。
腹膜灌流:腹膜を透析膜として利用し腹腔内に灌流液を注入,腹膜を循環している血液,
リンパ液の透析をする方法。(腹水を希釈するわけではない。)
急性糸球体腎炎:溶血性れんさ球菌感染の上気道感染後10−14日に続発することが多い。
高血圧,血尿,蛋白尿,腎機能障害。通常貧血は合併しない。糸球体のびまん性半月体形成を示す。
急性期には安静が大切。